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Sillage香水コラム / 香りの知識

香りの知識の記事一覧FAMILY GUIDE / SILLAGE EDITORIAL

女性が好む男性の香り|系統別に見る印象と受け入れられ方

「爽やかな香りが好まれる」とはよく言われる。けれど爽やかとは具体的にどの系統を指すのか。Sillageが採用している10の香調系統を一つずつ取り上げ、その系統が相手にどう届くかを整理する。外れにくい選択肢と、当たれば強い選択肢の違いを知るための地図として読んでほしい。

ACTION MAP

外れにくさと、印象の残りやすさ

01シトラス/ムスク最も安定して支持される。持続は短め
02アロマティック/アクアティック清潔感と落ち着き。年代との相性はある
03ウッディ/シプレ職場では最も安全。印象は控えめ
04グルマン/アンバー印象に残る力は最上位。量の管理が必須
左ほど外れにくく、右ほど印象に残る。平均的な傾向であり、目の前の相手に当てはまる保証はありません。

先に押さえる3つ

シトラスは複数の調査で一位。柑橘は日常的に触れる匂いで警戒心が生まれにくく、構造的に強く残りにくい
調査で頻出する「せっけんの香り」は香水の分類ではムスクにあたる。最も支持された柔軟剤の匂いに近い系統
グルマンとアンバーは着る人を選ぶ。シトラスは誰がつけてもシトラスだが、甘い系統は着こなしを要求する

01

支持が安定している系統:シトラスとムスク

ARINA株式会社が18歳以上200人に行った調査で、女性に好評だった香水の匂いの一位はシトラス系でした。甘すぎず、少量でも香りが広がるため使いやすいという評価が寄せられています。日刊SPA!が20〜32歳の独身女性200人に行った調査でも、香水の中では「ビターなシトラス系」が最上位で、200人中87人が挙げています。

レモン、ベルガモット、グレープフルーツといった柑橘の香りは、日本では食べ物や洗剤で日常的に触れている匂いで、初めて嗅いでも「知らない匂い」になりません。警戒心が生まれにくいのが強みです。さらに柑橘の分子は軽くて拡散が早い代わりに持続が短く、構造的に強く残りにくい。「強すぎる」という最大の嫌われ要因を系統の性質として回避しています。弱点は持続で、2〜3時間で消えることが多く、付け直しを前提に考える系統です。

調査で頻出する「せっけんの香り」「洗剤のような香り」は、香水の分類でいうとムスクにあたることが多い系統です。日刊SPA!の調査で一位だった柔軟剤・洗剤の匂い(200人中164人)に、香水として最も近い位置にいます。

ムスクは清潔さの記号として理解されやすく、香水をつけていると気づかれにくいため「もともとそういう人」という印象になりやすい系統です。香水臭さを避けたい人に向きます。弱点は個性の薄さで、記憶に残りにくく他の人と重なりやすいのが難点です。

02

支持が安定している系統:アロマティックとアクアティック

アロマティックはラベンダー、セージ、バジル、ローズマリーといったハーブを中心にした系統で、フゼアと呼ばれる伝統的なメンズ香水の骨格がここに含まれます。理髪店やシェービングフォームの香りに近く、「男性が身だしなみを整えている」という文脈で読まれます。清潔感がありながら、シトラスより落ち着いて見えるのが持ち味です。弱点は既視感で、定番の骨格なので悪く言えば没個性になりやすい面があります。

アクアティックは水、海、雨を思わせる合成香料を軸にした系統です。1990年代以降に確立した比較的新しいカテゴリで、日本では特に人気があります。透明感があり暑い季節でも重くならず、シトラスより持続が長く、ムスクより輪郭があります。弱点は年齢との相性で、20代では自然でも40代以降だと軽すぎて見えることがあります。

この4系統がSillageの分類でいう「外れにくい層」になります。一本目を選ぶなら、この中から選べば大きく外すことはありません。

03

好みが分かれる系統:グルマンとアンバー

グルマンはバニラ、カラメル、チョコレート、コーヒーなど食べ物を思わせる甘さを持つ系統です。日刊SPA!の調査では「甘いフローラル系の香水」を挙げた人が200人中35人。少数ですが無視できない数です。一方、同じ調査には甘い香りについて「似合う人であれば嬉しいが、そうでなければ受け付けない」という趣旨の否定的な声も紹介されています。

割れる理由は、甘い香りが着ている人を選ぶからです。本人の雰囲気や年齢、服装と香りが噛み合っていないと違和感として受け取られます。シトラスは誰がつけてもシトラスですが、グルマンは着こなしを要求します。向く場面は相手の好みを知っているとき、秋冬の夜、距離の近い場面。向かない場面は初対面、職場、食事の席です。

アンバーは樹脂、バニラ、スパイスを軸にした温かく濃い系統で、かつて「オリエンタル」と呼ばれていた分類にあたります。評価が分かれる理由はグルマンと似ていますが、こちらは甘さより「濃さ」が争点になります。強く残る系統なので、量を誤ったときの被害が最も大きい系統でもあります。うまく使えばシトラス系では出せない大人らしさが出て、調査で上位に来ることは少ないものの、印象に残る力では他系統を上回ります。

フローラルは花の香りを主軸にした系統です。日本では女性の香りというイメージが強く、男性がつけると性別の記号として読まれることがあります。ただし近年はオレンジブロッサムやアイリスを使ったメンズフレグランスが増えていて、感覚は変わりつつあります。当たり外れが最も大きい系統と考えたほうがよいでしょう。

04

場面によって評価が変わる系統:ウッディ、シプレ、フルーティ

ウッディはシダー、サンダルウッド、ベチバーなど木の香りで、Sillageの掲載商品でも最も本数が多い系統です。調査で「好き」と名指しされることは多くありませんが、これはウッディが香水として認識されにくいからでもあります。主張が控えめで、その人の雰囲気の一部として溶け込む。職場やフォーマルな場面では最も安全な選択になり、一方で印象を強く残したい場面では物足りないこともあります。

シプレはオークモス、パチュリ、ベルガモットを組み合わせた古典的な構造です。渋みと苦味があり大人びて見えますが、香水に馴染みのない相手には「古い匂い」と受け取られることがあります。香りへの理解がある相手には高く評価される一方、一般的な場面では説明が要る系統といえます。

フルーティはりんご、ベリー、桃などの果実を思わせる系統です。20代には支持が厚い一方、年齢が上がると「軽い」「子どもっぽい」と見られることがあります。年代との相性が最も明確に出る系統です。

05

「爽やか」の中身を分解する

調査でよく出てくる「爽やか」という言葉は、実は複数の系統をまとめて指しています。弾ける爽やかさはシトラスで、朝に目が覚めるような明るさ。洗われた爽やかさはムスクで、清潔で整っている印象。草の爽やかさはアロマティックで、落ち着きと身だしなみ。水の爽やかさはアクアティックで、涼しさと透明感です。

同じ「爽やかな香りが好き」という回答でも、思い浮かべているものが違う可能性があります。もし相手が「爽やかなのが好き」と言ったとき、具体的にどれを指しているかを聞ける関係なら聞いたほうが確実です。柔軟剤系を指しているのに柑橘を選ぶと、思っていた方向と違うことになります。

06

年代との関係と、選び方の順序

資生堂の研究者による香りと印象の相関に関する解説では、香りの分類ごとに連想される人物像が異なることが示されています。香りを変えることで相手から見た印象を意図的に動かせるという考え方です。

これを男性の香水に当てはめると、20代はアクアティック、シトラス、フルーティが支持されやすく、濃いアンバーは背伸びに見えることがあります。30代はシトラス、アロマティック、ウッディ。40代以降はウッディ、アンバー、シプレが合いやすく、軽すぎるアクアティックは不釣り合いに映ることがあります。年齢を重ねるほど軽い香りは似合わなくなり、重い香りは似合うようになるという方向です。ただしこれも平均の話で、40代でシトラスを爽やかに着こなす人もいます。

実際的な選び方をまとめます。一本目ならシトラス、ムスク、アロマティックのいずれか。二本目を足すなら一本目と季節が逆になるものを選ぶ。相手が決まっているなら、その人が普段使っている柔軟剤やハンドクリームの傾向を観察する。職場で使うならウッディかムスクを最小限に。印象に残したいならアンバーかグルマンを、量の管理を前提に選ぶ。

07

参考にした調査

本記事で参照した調査は次のとおりです。ARINA株式会社「mellow」による18歳以上200人への女性に好評だった香水の調査、日刊SPA!による20〜32歳独身女性200人への男性の匂いに関する調査、NOVIO(KADOKAWA)による20〜30代女性100人への男性の香水に関する意識調査、資生堂による香りと印象の相関に関する解説。

いずれも公開されている第三者の調査であり、Sillage編集部が独自に実施したものではありません。調査対象の年代や地域には偏りがあり、すべての女性の意見を代表するものではありません。傾向を掴むための材料としてお読みください。

DATA

系統別の受け入れられ方

系統別の受け入れられ方の条件別一覧
系統受け入れられ方弱点向く場面
シトラス最も安定して支持される持続が2〜3時間と短い初対面、日中、夏
ムスク清潔感の記号として読まれる個性が薄く記憶に残りにくい職場、初対面
アロマティック身だしなみの文脈で読まれる既視感がある仕事、フォーマル
アクアティック透明感があり重くならない40代以降は軽く見えることも夏、20〜30代
ウッディ香水と認識されにくく溶け込む印象に残りにくい職場、フォーマル
グルマン好悪がはっきり割れる着る人と場面を選ぶ秋冬の夜、距離の近い場面
アンバー印象に残る力は最上位量を誤ったときの被害が大きい夜、相手の好みが分かる場面
フローラル当たり外れが最も大きい性別の記号として読まれることも香りへの理解がある相手

複数の女性向け調査から読み取れる平均的な傾向をSillage編集部が整理したものです。個人差が大きい領域であり、特定の相手に当てはまる保証はありません。

あなたには、こちら

一本目を選ぶなら

シトラス、ムスク、アロマティックのいずれか。調査で最も安定して支持され、場面を選びません。持続の短さは付け直しで補えます。

二本目を足すなら

一本目と季節が逆になるものを。夏にシトラスを使っているなら、秋冬にウッディかアンバー。使い分けができると香りが背景になりません。

よくある質問

一番無難な系統はどれですか?

シトラスです。複数の調査で最も安定して支持されており、性別・年代・場面を選びません。持続が短いのが弱点ですが、それは「強すぎて嫌われる」リスクが低いことの裏返しでもあります。

せっけんの香りの香水はどの系統ですか?

ムスクに分類されることが多いです。柔軟剤や洗剤の匂いに最も近い系統で、調査で最も支持を集めた「清潔感」を香水で再現したい場合の第一候補になります。

甘い香りをつけたいのですが、避けるべきですか?

避ける必要はありませんが、場面を選んでください。初対面、職場、食事の席では控え、相手の好みが分かっている場面や秋冬の夜に使うと本来の力を発揮します。

年齢に合わない香りをつけると、どう見えますか?

若い人が重い香りをつけると背伸びに、年齢を重ねた人が軽い香りをつけると不釣り合いに見えることがあります。ただしこれは服装や雰囲気との組み合わせで変わるため、年齢だけで決める必要はありません。

系統は覚えたほうがいいですか?

覚えると香水選びが早くなります。「なんとなく好き」で選ぶと同じ失敗を繰り返しますが、系統が分かれば「自分はウッディが合う」という形で経験が蓄積されます。

読んで、実際に選ぶ。

情報源と編集区分

商品名・濃度・ノート等は掲載商品の公式情報を優先し、使う量・場面・選び方はSillage編集部の判断として区別して記載しています。製品の表示と各施設のルールを優先してください。

この記事について

Sillage編集部が、公開情報と掲載中の商品データを照合して作成しました。詳しい確認方法は編集方針・更新ポリシーをご覧ください。

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